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家族が臨終を迎えたときの対処

「死亡診断書」の料金は?

死亡診断書の料金は、病院によって差があります。
役所へ提出する分は無料です。2通目からは料金が必要となります。
ただし、病院によっては2通目も無料であったり、役所提出分も有料となる病院もあります。
料金には差があり、1,000円から5,000円前後と、さまざまです。

臨終後の「退院の手続き」では、どういう点に気をつければよいでしょうか?

一般的に、手配の搬送車が到着するまでに、臨終後の退院手続きは済ませるようにしましょう。
深夜に亡くなった場合は、退院手続きは翌日の午前中になることがあります。取り込んでいる最中なのでとりあえず手続きだけを済ませ、お世話になった医師や看護師へのお礼は後日出向きましょう。
まず私物を整理し、「死亡診断書」を受け取ります。生命保険に入っている場合は保険会社からも死亡診断書を求められますので、2、3通を発行してもらうとよいでしょう。
死亡診断書は、役所の届ける「死亡届」と左右で1枚になっています。

葬儀社へ「遺体搬送」だけを依頼したいのですが、可能でしょうか?

もちろん可能です。希望や条件は、依頼前に正確に伝えましょう。
遺族が霊安室に待機していると、病院提携の葬儀社がアプローチしてきます。すでに依頼の葬儀社が決まっていれば断り、遺体の搬送のみを依頼したい場合は、その依頼内容をはっきり伝えましょう。
病院の霊安室で保管できる時間は2〜3時間です。自宅などへ安置した後、葬儀社のあてがない場合は搬送後に数社の葬儀社から希望内容の葬儀見積りをもらい、比較・検討することもできます。
肝心なのはあわてて葬儀社を決めず、冷静になって依頼先を決めることです。

遺体搬送を依頼する際の注意点は?

葬儀社へは、ご遺体をどこへ搬送するのかを決めたあとに連絡するようにしましょう。その際、葬儀社には遺族の希望や条件を正確に伝えることが肝心です。慌ただしくて葬儀社が決められない場合は、病院提携の葬儀社に「搬送だけを依頼」する方が無難です。
この時大切なことは、搬送先の環境を伝えることです。搬送先がマンションやアパートの場合、エレベータの有無や広さが問題となります。エレベータが狭くて使えない、ご遺体を寝かせたまま曲がることができないなど、安置場所まで運べないケースも起きます。
また、自宅や思い出の場所など搬送経路を希望する場合は、事前に搬送業者に申し出ておきましょう。さほど遠方でなければ、希望はかなえられることが多いはずです。ただし料金は追加となります。

ご遺体を自宅には安置できないので、斎場まで直接搬送できますか?

 斎場が決まっている場合は問題ありませんが、まだの場合はどのような葬儀をどの斎場(ホール)で行うのかを決めなくてはなりません。
最近は、自宅に安置するにはスペースがないということで、ご遺体を自宅へ連れて帰らず、そのまま葬儀を行う斎場あるいは葬儀社のホールに搬送するケースが多く見られます。なお葬儀を行う斎場が決まっていない場合は、葬儀社に相談して斎場を手配してもらうという段取りになります。なお、ご遺体を安置する設備をすべての斎場が備えているわけではありませんのでご注意ください。
 また、葬儀を行なわない直葬を選択する場合は、火葬場まで直接搬送ということになります。この場合、火葬場に安置する施設があることが前提となります。搬送を依頼する葬儀社へは依頼前に正確に遺族の希望・条件を伝えておくことが必要です。
 また自宅へ連れて帰ることができない遺族へのサービスとして、ご遺体を安置できる施設を持った葬儀社も最近増えつつあります。

病院で亡くなった場合、遺体を自宅まで搬送したいのですがどうすればいいのでしょうか?

 まず知っておいていただきたいことの第一は、病院からは2〜3時間で退去しなければならない、ということ。したがって、事前に決めた葬儀社、または医療機関提携の葬儀社に依頼し、ご遺体の搬送を行うことになります。
 医師や看護師による臨終後の処置が終わると、遺体はストレッチャーなどで病院内の霊安室まで移動させられ、安置されます。この時点から、ご遺体は病院から離れることになります。遺族は自分の手で搬送などの手配をしなければなりません。遺族は搬送先について話し合いましょう。病院提携の葬儀社から様々な勧誘がありますが、安易に決めてしまわずに冷静な対処が必要です。搬送先によって葬儀社の手配の仕方が違ってくるからです。
 とにかく落ち着くまで自宅へ連れて帰るという場合や、この時点で葬儀プランを決められない場合は、葬儀社へは「遺体の搬送のみを依頼する」ようにしましょう。搬送後、親族の間でよく話し合い、改めて葬儀業者を選ぶようしたほうが無難です。

遺体を搬送する際の一般的な流れはどうなりますか?

臨終後の処置が終わったら、ご遺体搬送の手配を行います。
ご遺体搬送の手配は、葬儀への準備とつながります。葬儀社への依頼は、遺族間でよく話し合って手配を行いましょう。
葬儀の方法がまとまらない場合は、とりあえず自宅まで連れて帰るだけの「遺体搬送」のみの依頼でもかまいません。

一般的な遺体搬送の流れ
(1)遺体の搬送先の決定
(2)遺体搬送の依頼
   事前に決めた葬儀社か、医療機関提携の葬儀社に依頼する。
(3)搬送先の準備
   自宅の場合は受け入れの準備が必要です。斎場であれば準備は不要となります。
(4)遺体の搬送
(5)遺体の安置
   故人の信仰によって安置の仕方が違ってきます。

臨終後、役所に提出する手続きはどんなものがありますか?

臨終後の手続きの中で、もっとも優先すべきは「死亡届」の提出です。
死亡届と死亡診断書は、セットで1枚の用紙になっています。事件性のあるものや事故によるものをの除いた「病死」や「老衰」による自然死の場合は、死亡を判定した医師によって死亡診断書が発行されます。
死亡届には、死亡診断書から死亡年月日・死亡の場所など必要事項を転記します。
死亡届は、国内で死亡した場合は死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければなりません。死亡届が受理されると、戸籍から除外されることになります。
死亡届が受理されないと「火葬許可証」が出ないので、早めに提出するようにしましょう。葬儀全般を葬祭業者に依頼した場合、死亡届けの提出は業者が行います。
国外で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から3か月以内に提出しなければなりません。現地で発行した証明書(死亡証明書や火葬証明書)が必要です。
故人が年金受給者であった場合は、死亡届を受けて給付は連動して停止されますので、特別な手続きは不要です。
ほかに手続きが必要なものには、銀行預金の払い戻しと解約、株などの有価証券や不動産の名義変更があります。相続税との兼ね合いがありますので、専門家を交えて慎重に進めることが大切です。

仏式とは違う「キリスト教」での看取り方

キリスト教には仏式とは違う特有の臨終の儀式があります。

○〈カトリック〉
危篤に陥った際には、神父(司祭)を呼びます。本人の意識があれば、罪を告白し、赦し(ゆるし)を願う祈りを唱え、赦しの秘蹟(ひせき)を与えます。次に、本人の額に聖油を塗って聖体を授ける「病者の塗油(びょうしゃのとゆ)」の儀式を行います。

○〈プロテスタント〉
危篤に陥った際には、牧師を呼び、パンとぶどう酒(キリストの体と血を意味する)を与える「正餐式(せいさんしき)」を行います。臨終後も、遺体の傍らで聖書の言葉による支えと神の導きを祈ります。

自宅で臨終を迎えた場合、どうしたらいいのでしょうか?

まずは主治医に連絡をしましょう。医師より死亡判定を受けたら、その後の処置は死後の処置を行います。
訪問看護師が行うことが一般的ですが、葬祭業者に依頼することも可能です。なお、死後の処置には数万円ほどかかりますが、死亡後なので健康保険は使えません。どこにご依頼するにせよ、料金などの事前確認は必要です。

病院での臨終の一般的な処置について

ここでは臨終の際、病院または医師・看護師が行なう一般的な措置についてご紹介します。

1)〈医師の死亡判定〉

2)〈末期の水(遺族が担当)〉
「死に水」ともいい、あの世で渇きに苦しまないようにという願いをこめた風習です。

3)〈清拭(せいしょく)・着替え(看護師が担当)〉
遺体の表面をアルコールで消毒し、鼻や口に詰め物をします。その後、家族が準備した衣類に  着替えます。

4)〈死化粧(遺族/看護師が担当)〉
髪をとかし、薄化粧したり、ヒゲを剃ったりなど身なりを整えます。

5)〈遺体の安置(遺族/看護師が担当)〉
病室から移動し、病院の霊安室に安置します。家族はここで故人と語らい大切な時間を過ごし  ます。また、ご遺体は自宅や安置所まで搬送しなければなりませんので、専門業者などへ依頼  の連絡をします。

病院で臨終を迎えた場合、どうしたらいいのでしょうか?

まず家族だけで故人と別れを惜しむ時間を設けられますから、大切な時間を共に過ごします。
病院で臨終した場合は、処置のほとんどは病院側で行います。ただし、家族の手で行いたい場合は、遠慮することなく申し出て手伝いましょう。