葬儀に関する資格には「葬祭ディレクター」と「葬祭カウンセラー」の2つの資格があります。
有資格者が葬儀社にいるかどうかは、葬儀社を選ぶ際の目安にもなりますので、ご依頼前に確認することも大切ですね。
◎葬祭ディレクター(1級・2級)
厚生労働省の技能検定のひとつ。葬祭業で一定期間の職務経験が必要です。葬儀に関する知識と司会進行などの実技の試験で認定されます。
葬儀に関する資格には「葬祭ディレクター」と「葬祭カウンセラー」の2つの資格があります。
有資格者が葬儀社にいるかどうかは、葬儀社を選ぶ際の目安にもなりますので、ご依頼前に確認することも大切ですね。
◎葬祭ディレクター(1級・2級)
厚生労働省の技能検定のひとつ。葬祭業で一定期間の職務経験が必要です。葬儀に関する知識と司会進行などの実技の試験で認定されます。
通夜・葬儀・告別式の日程を決める際にどのような点に気をつけるべきでしょうか?
依頼した葬儀社と打ち合せでは遺族・親族間で決めた「葬儀の方針」を伝え、第一に「式場探し」を依頼します。
葬儀方針にそった「式場選び」が真っ先に必要な事項となります。つぎに、火葬場の空き状況や宗教者の都合など、担当者と相談しながら総合的に合致した日程を決めることになります。
◎通夜・葬儀・告別式の日程
一般的には亡くなった翌日に「通夜」、翌々日に「葬儀・告別式」を行います。ただし、宗教者や遺族側の都合、火葬場の空き状況などから、日程は変わることが多くあります。
葬儀社を決める場合どういうところに気をつければよいのでしょう?
葬儀社の善し悪しで、葬儀の内容が決まるといっても過言ではありません。葬儀社は、葬儀に関する一切のことを請け負ってくれます。そのため「よい葬儀」を行うためには、「よい葬儀社」を選ぶことが何より重要となります。
◎葬儀社選びのポイント
1)事前相談など気軽に応じてくれる
2)対応が丁寧で誠実
3)説明が適切
4)担当者が遺族の身になって誠実に話を聞いてもらっているか。
5)葬儀に関しての理念が伝わってくるか。
6)サービスの具体的な説明をしてもらえる
7)見積書が、項目ごとの内訳明細となっているか。
8)希望に応じた見積りをしてもらえる
9)葬祭ディレクターがいる
などを確認して決めるとよいでしょう。
いずれにしても、自分の考える葬儀の基準を明確にし、価値観の一致する業者を選ぶことが大切です。
無宗教の葬儀以外の「宗教儀礼」で葬儀を行う際は、早めに宗教者(僧侶、神職、神父、牧師)と打ち合せを行ってください。
葬祭業者とすべてを決めた後に、宗教者へ報告をすることを多く見受けられますが、本来は宗教者へ相談するのが先決です。
〇仏式
枕経をあげてもらった際に、打ち合せの時間を設けてください。
〇神式
神職と打ち合せを行います。
〇キリスト教式
キリスト教式では、牧師、神父がすべてを取り仕切ります。教会ごとに葬祭業者が決まっていることもありますので、教会との連絡をまず取ってください。
「規模」「費用」「宗教」「形式」「式場」の5項目を確認した上で葬儀の方針や内容を決めましょう。
◎規模
規模とは会葬者の人数と比例します。故人の社会的な地位や交際範囲などをもとに想定し参列人数を想定し、葬儀全体の大規模を決めます。経験豊かな葬儀斜の担当者に相談すればいいでしょう。
◎費用
「葬儀社への支払い」「寺院へのお布施」「飲食・接待費」が葬儀費用のほとんどを占めます。まずいくらまで予算が使えるのかを決めて、葬儀社へ依頼します。
◎宗教
日本で行われている9割が「仏式」です。そのほか、「キリスト教式」「神式」がありますが、それぞれ形式が大きく異なります。宗教者や葬儀社に相談し、進めるようにします。
お布施は「領収書」は発行してもらえるものなのか、という疑問をお持ちではありませんか?
相続税の申告が必要な場合は、お布施も控除対象となります。税の申告に必要な旨を伝えて、「領収書」か「受領書」、あるいは「志納金預かり証」を発行してもらいましょう。
※お布施(おふせ)/僧侶へのお礼は「読経料」や「戒名料」などをあわせて、お布施として渡します。
お布施は、本来感謝の気持ちを表し包むものですから、定まった相場というものはありません。
檀家と菩提寺という関係であれば、金額がわからない場合は直接住職に尋ねるのが早道です。また、葬儀会社から紹介の僧侶であれば事前に担当者に確認しておきます。
※お布施(おふせ)/僧侶へのお礼は「読経料」や「戒名料」などをあわせて、お布施として渡します。
すべての儀式が終わった後で、こちらから出向いて渡すのが礼儀です。
通夜、葬儀、告別式がすべて終わった後で、数日の後お礼に出向きます。ただし、諸事情で直接伺えない場合は、葬儀終了後すぐに謝礼を渡してもかまいません。
宗教による「謝礼」の呼び名
(仏式)
お布施(おふせ)/僧侶へのお礼は「読経料」や「戒名料」などをあわせて、お布施として渡します。
(神式)
ご神餞料(ごしんせんりょう)/金額は葬儀の規模、斎主の従者である斎員(さいいん)や演奏者である伶人(れいじん)の人数によって異なります。葬儀社か神社の社務所に問い合わせてください。
(キリスト教)
献金(けんきん)/式場として教会を使用した場合は、教会へ献金します。オルガンやピアノ奏者、聖歌隊にもお礼を渡します。
通夜、葬儀、さらに初七日、四十九日の追善供養など故人を弔うための儀式において、その中心となるのは「読経」となります。
菩提寺を持たない方がワンポイントの読経だけを依頼することができます。
僧侶の中には寺院を持たない「フリーランスの僧侶」もいて、読経だけの依頼に対応してもらえる場合もあります。葬儀社を介して、費用などを確認のうえお願いすればいいでしょう。
このような僧侶への依頼は、一般的にお布施の負担額は少なくてすむメリットもありますが、後々の供養の面倒までは期待できません。よく考えた後依頼しましょう。
僧侶が式場に到着したら、世話役か喪主が出迎えましょう。ここから対応は始まります。
出迎えた後、祭壇まで僧侶を案内し、飾りや供物の位置などを見てもらいます。次に僧侶を控え室に案内して、お茶菓子でもてなし、通夜の進行について打ち合わせをします。
通夜が終わった後は再び控え室に案内し、着替えていただきます。「通夜ぶるまい」に同席してもらえる場合は、上座へ案内しましょう。
その他の注意事項
○「通夜ぶるまい」を僧侶が辞去したときは、「お膳料」を包む場合もあります。相場は5千円から1万円程度でよいでしょう。
○送迎をしない場合は「お車代」を包みます。一般的には僧侶一人につき5千円から1万円です。
※地方によって習慣が違います。葬儀を業者に依頼された場合はいくらお包みするべきかを確認してください。
仏式の葬儀の場合、菩提寺に連絡し、寺の僧侶に依頼することが一般的です。菩提寺がない場合は、故人が希望していた寺院があればそこに連絡しましょう。実家の菩提寺と同宗同派の寺院を探してみることもよいでしょう。
葬儀を依頼する寺院の心当たりがない場合は、葬儀社を介して依頼することも可能です。その場合は、葬儀後の供養(法要など)にこともよく考えてから依頼するようにしましょう。
○エバーミング(エンバーミングともいう)は、北米や英国では一般的な処置となっているようでが、亡くなってすぐに火葬にする日本人にとってはなじみにくい面があります。また切開処置のため、遺体を傷つけなくてはなりません。エバーミングを施す場合は、よく説明を聞いて納得したうえで行ってください。
○遺体を直接海外へ搬送する時、また外国から日本に搬送する時などは、必ずエバーミングを行います。
○費用は12万~20万円程度です。
遺体を保存する技術「エバーミング」は、遺体衛生保全ともいわれ、遺体に防腐・殺菌処置を施すことをいいます。
エバーミングを施せば、棺に入れず生前に近い状態で、遺体を衛生的に保存することが可能です。事故で遺体に損傷があってもある程度の復元処置をすることができます。大切な人を突然失ってしまった遺族の悲嘆をやわらげ、元気な時の姿を再現することでゆとりを持ったお別れができます。
キリスト教式では、神父あるいは牧師の立ち会いのもとに納棺が行われます。遺族や親族一同で祈りを捧げ、聖書を朗読し、聖歌(賛美歌)を歌います。
カトリックでは、祈りの時間を設け、遺体に聖水を注ぎます。棺に納めたら、遺体の上に十字架を載せ、ロザリオを入れることもあります。プロテスタントでは、死後はできるだけ早く家族の手で納棺し、祈りの時をもちます。棺には生花の他に聖書などを入れます。
仏式の死装束は旅立ちの衣装です。
仏式では納棺の前に故人の衣類を仏衣に着替えさせます。この仏衣がいわゆる死装束といわれるもので、経帷子(きょうかたびら)を左前に着せ、手には手甲(てっこう)、足には脚絆(きゃくはん)をつけ、白足袋とわらじは左右逆に履かせます。
六文線が印刷されたものを頭陀袋(ずだぶくろ)に入れ、編み笠、わらじを入れます。
葬儀社へは、ご遺体をどこへ搬送するのかを決めたあとに連絡するようにしましょう。その際、葬儀社には遺族の希望や条件を正確に伝えることが肝心です。慌ただしくて葬儀社が決められない場合は、病院提携の葬儀社に「搬送だけを依頼」する方が無難です。
この時大切なことは、搬送先の環境を伝えることです。搬送先がマンションやアパートの場合、エレベータの有無や広さが問題となります。エレベータが狭くて使えない、ご遺体を寝かせたまま曲がることができないなど、安置場所まで運べないケースも起きます。
また、自宅や思い出の場所など搬送経路を希望する場合は、事前に搬送業者に申し出ておきましょう。さほど遠方でなければ、希望はかなえられることが多いはずです。ただし料金は追加となります。
斎場が決まっている場合は問題ありませんが、まだの場合はどのような葬儀をどの斎場(ホール)で行うのかを決めなくてはなりません。
最近は、自宅に安置するにはスペースがないということで、ご遺体を自宅へ連れて帰らず、そのまま葬儀を行う斎場あるいは葬儀社のホールに搬送するケースが多く見られます。なお葬儀を行う斎場が決まっていない場合は、葬儀社に相談して斎場を手配してもらうという段取りになります。なお、ご遺体を安置する設備をすべての斎場が備えているわけではありませんのでご注意ください。
また、葬儀を行なわない直葬を選択する場合は、火葬場まで直接搬送ということになります。この場合、火葬場に安置する施設があることが前提となります。搬送を依頼する葬儀社へは依頼前に正確に遺族の希望・条件を伝えておくことが必要です。
また自宅へ連れて帰ることができない遺族へのサービスとして、ご遺体を安置できる施設を持った葬儀社も最近増えつつあります。
臨終後の処置が終わったら、ご遺体搬送の手配を行います。
ご遺体搬送の手配は、葬儀への準備とつながります。葬儀社への依頼は、遺族間でよく話し合って手配を行いましょう。
葬儀の方法がまとまらない場合は、とりあえず自宅まで連れて帰るだけの「遺体搬送」のみの依頼でもかまいません。
◎一般的な遺体搬送の流れ
(1)遺体の搬送先の決定
(2)遺体搬送の依頼
事前に決めた葬儀社か、医療機関提携の葬儀社に依頼する。
(3)搬送先の準備
自宅の場合は受け入れの準備が必要です。斎場であれば準備は不要となります。
(4)遺体の搬送
(5)遺体の安置
故人の信仰によって安置の仕方が違ってきます。
キリスト教式で行われる葬儀は、カソリック、プロテスタントを問わずをきわめてシンプルな様式です。それは仏教が考える死後の世界観と全く違うものであることに因ります。
キリスト教には死者の肉体や遺骨に霊魂が宿るという考え方はありません。映画やテレビで観ることがある欧米の葬儀は、墓標の前に人が集まり深く掘られた墓穴に死者を葬るシーンが一般的ですが、葬儀後の行事はといえば仏教のように親族が魂を弔う法要を行うこともなく、命日に親族がお墓に訪れることも習慣としてありません。
○安置の作法
キリスト教式では安置にとくに決まりはありません。神父や牧師に来てもらい、「納棺」の儀式を行います
○キリスト教の枕飾り
テーブルに白い布をかけ、燭台・生花・聖書を設置するのが一般的です。カトリックであれば、ロザリオと聖歌集を置き、手を組み合わせてロザリオを握らせます。プロテスタントなら、十字架と賛美歌集などを設置します。
なお、遺体を安置する際、故人の信仰によってそのやり方が大きく違います。葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。
「仏式」と「神式」ではご遺体を安置する際の様式に違いがありますので注意が必要です。
とくに神式の葬儀全般に知識のないご遺族は葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。
ここでは基本的な遺体安置の様式について記載しておきます。
○遺体は「北」か「部屋の上座」に向けて安置します。
遺体は殯室(ひんしつ/遺体を安置する部屋)に移し、頭を北か部屋の上座に向け、白布で顔を覆います。枕元には「枕屏風(まくらびょうぶ)」を配置し、遺体の前に小案(しょうあん/小さな机)、その上に守り刀(刃を遺体に向けないように)を置き、灯明をつけます。
○神式の枕飾り
神式では「枕飾り」をととのえることを「枕直しの儀」といいます。案(あん/白木八足の机か白い布で覆ったテーブル)を設け、その上に調理した食べ物「常餞(じょうせん)」、または洗米・塩・水など未調理の食べ物「生餞(せいせん)」を供えます。