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遺体搬送を依頼する際の注意点は?

葬儀社へは、ご遺体をどこへ搬送するのかを決めたあとに連絡するようにしましょう。その際、葬儀社には遺族の希望や条件を正確に伝えることが肝心です。慌ただしくて葬儀社が決められない場合は、病院提携の葬儀社に「搬送だけを依頼」する方が無難です。
この時大切なことは、搬送先の環境を伝えることです。搬送先がマンションやアパートの場合、エレベータの有無や広さが問題となります。エレベータが狭くて使えない、ご遺体を寝かせたまま曲がることができないなど、安置場所まで運べないケースも起きます。
また、自宅や思い出の場所など搬送経路を希望する場合は、事前に搬送業者に申し出ておきましょう。さほど遠方でなければ、希望はかなえられることが多いはずです。ただし料金は追加となります。

ご遺体を自宅には安置できないので、斎場まで直接搬送できますか?

 斎場が決まっている場合は問題ありませんが、まだの場合はどのような葬儀をどの斎場(ホール)で行うのかを決めなくてはなりません。
最近は、自宅に安置するにはスペースがないということで、ご遺体を自宅へ連れて帰らず、そのまま葬儀を行う斎場あるいは葬儀社のホールに搬送するケースが多く見られます。なお葬儀を行う斎場が決まっていない場合は、葬儀社に相談して斎場を手配してもらうという段取りになります。なお、ご遺体を安置する設備をすべての斎場が備えているわけではありませんのでご注意ください。
 また、葬儀を行なわない直葬を選択する場合は、火葬場まで直接搬送ということになります。この場合、火葬場に安置する施設があることが前提となります。搬送を依頼する葬儀社へは依頼前に正確に遺族の希望・条件を伝えておくことが必要です。
 また自宅へ連れて帰ることができない遺族へのサービスとして、ご遺体を安置できる施設を持った葬儀社も最近増えつつあります。

遺体を搬送する際の一般的な流れはどうなりますか?

臨終後の処置が終わったら、ご遺体搬送の手配を行います。
ご遺体搬送の手配は、葬儀への準備とつながります。葬儀社への依頼は、遺族間でよく話し合って手配を行いましょう。
葬儀の方法がまとまらない場合は、とりあえず自宅まで連れて帰るだけの「遺体搬送」のみの依頼でもかまいません。

一般的な遺体搬送の流れ
(1)遺体の搬送先の決定
(2)遺体搬送の依頼
   事前に決めた葬儀社か、医療機関提携の葬儀社に依頼する。
(3)搬送先の準備
   自宅の場合は受け入れの準備が必要です。斎場であれば準備は不要となります。
(4)遺体の搬送
(5)遺体の安置
   故人の信仰によって安置の仕方が違ってきます。

「キリスト教式」で行う遺体安置の儀礼や様式について。

キリスト教式で行われる葬儀は、カソリック、プロテスタントを問わずをきわめてシンプルな様式です。それは仏教が考える死後の世界観と全く違うものであることに因ります。
キリスト教には死者の肉体や遺骨に霊魂が宿るという考え方はありません。映画やテレビで観ることがある欧米の葬儀は、墓標の前に人が集まり深く掘られた墓穴に死者を葬るシーンが一般的ですが、葬儀後の行事はといえば仏教のように親族が魂を弔う法要を行うこともなく、命日に親族がお墓に訪れることも習慣としてありません。

○安置の作法
キリスト教式では安置にとくに決まりはありません。神父や牧師に来てもらい、「納棺」の儀式を行います

○キリスト教の枕飾り
テーブルに白い布をかけ、燭台・生花・聖書を設置するのが一般的です。カトリックであれば、ロザリオと聖歌集を置き、手を組み合わせてロザリオを握らせます。プロテスタントなら、十字架と賛美歌集などを設置します。

なお、遺体を安置する際、故人の信仰によってそのやり方が大きく違います。葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。

「神式」で行う遺体安置の儀礼や様式について知りましょう。

「仏式」と「神式」ではご遺体を安置する際の様式に違いがありますので注意が必要です。
とくに神式の葬儀全般に知識のないご遺族は葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。
ここでは基本的な遺体安置の様式について記載しておきます。

○遺体は「北」か「部屋の上座」に向けて安置します。
遺体は殯室(ひんしつ/遺体を安置する部屋)に移し、頭を北か部屋の上座に向け、白布で顔を覆います。枕元には「枕屏風(まくらびょうぶ)」を配置し、遺体の前に小案(しょうあん/小さな机)、その上に守り刀(刃を遺体に向けないように)を置き、灯明をつけます。

○神式の枕飾り
神式では「枕飾り」をととのえることを「枕直しの儀」といいます。案(あん/白木八足の机か白い布で覆ったテーブル)を設け、その上に調理した食べ物「常餞(じょうせん)」、または洗米・塩・水など未調理の食べ物「生餞(せいせん)」を供えます。

仏式での遺体安置の「枕勤め」について調べました。

枕勤め(まくらづとめ)」は、葬儀における最初の仏事で、安置したご遺体のそばで「枕経」を読む儀式を指します。
ご遺体を自宅や特定の安置場所へ搬送したら、北枕・枕飾り・守り刀(まもりがたな)・枕飯(まくらめし)・枕団子(まくらだんご)などを調えます。その後、宗教者(通夜僧)をお呼びし読経を頼みます。この一連の形式が枕勤めとなります。このときの読経を「枕経」と呼び、亡くなった者へ最初にきかせるお経ということになります。
宗派によって違いがありますが、近年は「通夜の読経」を枕経として行うことが多くなりました。経をとなえることで亡くなった者の霊を迷わせない、鎮める、故人と遺族が死の悲しみを共有するという本来の意味での「枕経」を省略する傾向にあります。

仏式で行う遺体安置の儀礼や様式について知りましょう。

通夜を行う前、ご遺体は自宅や特定の場所で安置します。その際の儀礼や様式については以下のような事柄が挙げられます。
宗派によっては他にも決まった形がありますが、基本的にはつぎの4点の形式を備えています。

○守り刀(まもりがたな)
遺体の胸の上か枕元に置く小刀のこと。刃の光が魔を祓うとされ、さやから少し抜いて刃を見せるようにして置きます。

○逆さ屏風(さかさびょうぶ)
守り刀と同様に、悪霊が近づくのを防ぐため、逆さにした屏風を置きます。日常空間と遺体安置の空間を隔てるためといわれています。

○枕飯(まくらめし)
故人の魂を引き寄せておくためのよりしろといわれています。地域を問わず広く行われていますが、「浄土真宗」では行いません。

○枕団子(まくらだんご)
枕飯と同じ意味において供えます。地域や宗派により、団子の形状や数などが異なります。

仏式で「遺体安置」する際の基本的な約束事や決まりを知りましょう。

遺体を安置する際、故人の信仰によってそのやり方が大きく違います。葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。以下にどの宗派でも通じる基本的な約束事を記載しておきます。

○遺体は北枕に安置すること
遺体は北枕にして安置します。地域や宗派によっては、遺体の枕元や胸の上に魔よけとしてさやから少し抜いた短刀を置いたり、枕元に逆さ屏風を置いたりする場合もあります。

○仏式の枕飾り
枕元に白木の台を置き、香炉や燭台、花立て、しきみ、手向け花を一輪供えます。さらに、枕団子、枕飯を供えます。

○その他の習慣
忌明け(きあけ)までは仏壇を閉じ(浄土真宗は除く)、神棚は半紙で封印するという習慣もあります。

仏式の場合、ご遺体はどのように安置すればいいのでしょうか?

直接斎場へ搬送するケースが増えていますが、自宅へ連れて帰り安置することが本来のあり方です。
遺体が自宅へ戻ったらすぐには納棺せず、しばらくは布団に安置します。安置するにはベッドより布団がいいでしょう。布団に新しいシーツを使用して遺体を寝かせます。その後枕飾りを整えてください。
遺体の安置や枕飾りは宗教によって違います。
仏式の場合、遺体の頭を北の方角に向ける「北枕(きたまくら)」にします。部屋の状況や、また地域によっては「西」に頭を向けることもあります。
遺体を安置する際、故人の信仰によってそのやり方が大きく違います。葬儀社や宗教者に相談しながら進めることが肝要です。