「お葬式をどうするか」(PHP新書)のなかで評論家・ひろさちや氏は、お葬式は「習俗」であると述べ、遺された者がお葬式を執り行う意味は要約すれば次の3点につきると論じます。
すなわち、
1)死体の処理
2)霊魂の処理
3)遺族の心の整理
あえて言葉を換えて分かりやすくいえば、次のようになります。
- 死体の処理/腐敗する前の措置を行なうことで、伝染病など感染予防となります。以前はほとんどが土葬という形をとっていました。
- 霊魂の処理/仏教であれば四十九日の間に転生すると考えられており、無事に死者が輪廻転生するように宗教的儀式を施すことです。
- 遺族の心の整理/故人との別れの「けじめ」を付けることにほかなりません。
最近増加している「簡略化した」形態が主流をしめつつある以前、お葬式といえば、多くの会葬者の中でお通夜・葬儀・告別式を行い、故人を火葬場まで運び荼毘に付し収骨を遺族で行い、自宅へ還り初七日の法要を施し、さらに49日まで七日毎に法要を繰り返すことが一般的でした。
このような段取りを踏んだ形式を、簡約化したお葬式いわゆる「直葬」「火葬式」「家族葬」と分けるために、便宜的に「一般葬」という名称で呼ぶようになりました。